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組継加工によるCFRP接着接合部の高強度化と損傷メカニズムの解明

担当教員:岩堀

研究背景

 近年、航空機や自動車などの輸送機器では、軽量化を目的として、軽量かつ高強度な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の利用が進んでいます。CFRPの接合方法の一つである接着接合は、部材に穴を開ける必要がない一方、接着端部への応力集中によって損傷が発生しやすいという課題があります。


 そこで本研究では、接着面に段差状の「組継加工」を施すことで接着強度の向上を図り、初期損傷の発生および損傷進展挙動に着目して、その強度向上メカニズムを解明することを目的としています。


図1 一般的な接着接合と組継接着接合の模式図
図1 一般的な接着接合と組継接着接合の模式図

図2 有限要素解析(FEM)による接着接合部の損傷挙動の評価
図2 有限要素解析(FEM)による接着接合部の損傷挙動の評価

研究内容

  本研究では、組継加工が接着強度に及ぼす影響を明らかにするため、接合形状の異なる試験片を用いた引張試験を実施しています。これまでに行ったCFRP試験片の引張試験では、組継加工を施すことで、一般的な接着接合と比較して最大荷重が約24%向上することが確認されています。しかし、接着強度が向上する理由を明らかにするためには、接合部が破断する際の最大荷重だけでなく、損傷が発生するタイミングや、その後に損傷がどのように広がるのかを調べる必要があります。

 そこで、AE(Acoustic Emission)法と呼ばれる計測技術を用いて、引張試験中に接合部から発生する微小な弾性波を検出し、初期損傷の発生を評価しています。また、試験片の各位置におけるひずみを計測し、組継加工による変形挙動の違いについても調査しています。


今後の研究

 現在は、実験によって得られた結果をさらに詳しく検証するため、有限要素解析ソフトウェアAbaqusを用いた数値解析にも取り組んでいます。解析では、接着界面における損傷の発生や進展を表現できるCZM(Cohesive Zone Model)を導入し、接着接合部が荷重を受けてから破断するまでの挙動を再現することを目指しています。

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