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より軽く、より強く、もっと遠くへ
世界で最初の飛行機事故は、古代ギリシャ神話に描かれています。
王の不興を買ったイカロスとその父ダイダロス親子は迷宮へ幽閉されていた。大工職人である彼らは、鳥の羽と蜜蝋で翼をつくり脱出を試みる。イカロスは飛行に成功したものの、「海面や太陽に近付いてはならない」という父の忠告を無視し、太陽の熱で蝋を溶かして墜落してしまった。
残念ながら神話に登場するイカロスは、勇敢であると同時に無鉄砲でした。では、
もしも、イカロスの翼がより軽く、より強かったとしたら。
もしも、イカロスの翼が羽と蝋でつくられていなかったら。
──もしも、イカロスの翼が”複合材料”でつくられていた、としたら?
炭素繊維複合材料について
炭素繊維は軽量かつ高強度であることが最大の特徴。比重は鉄の1/4でありながら比強度は鉄の10倍以上と優れた力学特性を有する。その特性から産業・航空・スポーツ用品等に使用されるようになった。
ここでは航空機に着目する。
2011年には機体構造重量の50%までCFRPの適用を拡大したB787、2015年にCFRPを中心とする複合材料を52%使用したA350が登場し、旅客機の炭素繊維大量使用時代の幕開けとなる。
機体に炭素繊維を用いることで、機体重量が軽くなり燃費は約20%向上、二酸化炭素の排出量削減、金属と比較して耐疲労性、耐腐食性に優れ、機内の与圧や湿度を高めることが可能になり客室の快適性向上に貢献している。

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